〜外は香ばしく、中はやさしいもちもち食感〜
はじめに
時々、むしょうに食べたくなるんです「胡麻団子」。中華料理のデザートでおなじみですが、家でも意外と簡単に作れます。
今回ご紹介するのは、豆腐と白玉粉の生地に、胡桃を混ぜ込んだあんこを包んで作る胡麻団子。普段のおやつだけでなくお盆やお彼岸のお供え、お月見シーズンのお菓子にもぴったりです。
YouTube動画でも実際の工程をまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
胡麻団子の魅力
胡麻団子は、中国語で「芝麻球(ジーマーチウ)」と呼ばれています。
丸く膨らむ姿が「運気がふくらむ縁起物」とされ、中国では結婚式や新年のお祝いの席などにも並ぶ、特別なお菓子です。台湾では屋台スイーツの定番で、紙袋に入れて揚げたてを頬張るのが人気のスタイル。
本来の胡麻団子は、**浮き粉(うきこ:小麦でんぷん)**を生地に使い、あんこを包んでたっぷりのごまをまぶし、低温からじっくり揚げていきます。浮き粉を使うことで、外はカリッと、中は強いもちもち感が生まれ、独特の弾力と膨らみが楽しめます。さらに伝統的なレシピでは、生地やあんこにラードを加えることも多く、これによってコクと香りが増し、満足感のある味わいになるのです。
一方で今回ご紹介しているのは、白玉粉と豆腐を使ったアレンジレシピ。浮き粉よりも手に入りやすく、豆腐を加えることでタンパク質を摂ることも出来ます。更に時間が経っても固くなりにくく、優しい口当たりに仕上がります。ラードを使わない分、軽やかでヘルシーな味わいに。家庭で気軽に作れる、和風アレンジの胡麻団子なんです。

材料(8個分)
- 白玉粉 … 150g
- 絹ごし豆腐 … 150g
- あんこ … 200g
- 胡桃 … 30g(軽くローストして粗みじん)
- 白ごま・黒ごま … 各適量
- 揚げ油 … 適量(今回は米油を使用)
作り方の手順
胡桃をロースト
フライパンで数分、香ばしい香りが立つまでロースト。粗熱を取ってから粗めにざく切りし、あんこと合わせて食感を残します。
あんこの成型
胡桃をあんこに混ぜ合わせたら手に油を塗ってからコロコロと転がしてまんまるに成型します。少し柔らかめのあんこでも、ナッツが入ることでまとまりやすくなりますがあんこを火にかけて固めに仕上げてもOK!
生地を作る
白玉粉に砂糖と絹ごし豆腐を加えてこね、ダマがなくなるまで良くこねます。ひとまとまりにしたときにひび割れが気になる時は水を少し足しながら耳たぶより少し柔らかいくらいに調整します。豆腐入りの特徴は、時間が経っても固くなりにくく、やさしい口当たりになります。
包む
生地を8等分し、丸めてから平たくのばし、中心に胡桃あんを包みこんでいきます。この時も手に少量の油を塗ると包みやすいですよ。
丸い形は「円満」の象徴。家族団らんや調和を意味する縁起の良い形です。
ごまをまぶす
白ごまと黒ごまを混ぜたものを転がしながら、まんべんなくまぶします。たっぷり、びっしり、しっかりつけていきます。
揚げる
米油など160℃を超えない程度の低温で、8分ほどじっくり。途中で裏返しながら、全体がこんがり色づいたら油を切ります。
(💡揚げ油はたっぷりが綺麗に揚がるのは分かっていますが、いつも油をケチってしまうのでまめに裏返すのが大変です。笑)
出来上がり!
外は香ばしいごま、中はもちっと柔らかい豆腐白玉生地。さらに胡桃のカリッと感と、あんこの優しい甘さが合わさって絶妙です。
アレンジアイデア
- あんこの種類を変える こしあん、白あん、黒ごまあんでも美味しい。
- ナッツのバリエーション アーモンドやピーナッツで香ばしさを変える。
- 季節のアレンジ 栗やさつま芋、桜の花の塩漬けなどを混ぜても◎。
- ドライフルーツ レーズンやクランベリーを混ぜると、甘酸っぱさがアクセント。
- カロリーを抑えたい時は団子を油で揚げずに茹でてから冷水にとり、空炒りした炒りごまをまぶす
胡麻(ごま)の底力
この胡麻の魅力はプチプチ香ばしいだけでなく、実は「食べるサプリ」と呼ばれるほど栄養が凝縮された食材ということなんです。
まず注目すべきは、胡麻特有の成分 セサミン。
強力な抗酸化作用を持ち、肝臓の働きを助けてアルコールや有害物質の分解をサポートしてくれます。アンチエイジングや生活習慣病の予防でも注目される成分で、「ごま=健康の象徴」と言われる所以です。
さらに、胡麻は 良質な脂質(リノール酸・オレイン酸) を豊富に含んでいます。コレステロール値を調整し、血管をしなやかに保つ効果が期待できるので、動脈硬化や高血圧の予防にも役立ちます。
また、胡麻は カルシウムの宝庫。100gあたり1200mg以上と、牛乳の約10倍も含まれているんです。骨や歯を丈夫にするのはもちろん、イライラを鎮める作用もあるので、心と体の両方を支えてくれます。
加えて 鉄分や亜鉛、マグネシウム といったミネラルも豊富で、貧血予防や代謝アップ、美肌づくりに貢献。女性には特に嬉しい成分がぎゅっと詰まっています。
さらに驚くのは、胡麻の 食物繊維の多さ。腸内環境を整えてくれるため、便秘改善やデトックス効果も期待できます。甘い胡麻団子を食べながら腸活できるなんて、一石二鳥ですね。
古代エジプトでは胡麻を「不老長寿の食べ物」と呼び、中国の薬膳では「精を補い、血を養う」とされてきました。世界中で重宝されてきた背景には、やはりその高い栄養価があるのです。
つまり、胡麻団子は「おやつの顔をした栄養補給食」。子どもから大人まで安心して楽しめる理由は、こんなところにもあるのです。
胡桃(くるみ)の栄養パワー
胡麻団子に加えると一気に風味と食感がアップする「胡桃(くるみ)」。実はこちらも栄養面でもとても優秀な食材です。
まず注目したいのが オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)。
血液をサラサラに保ち、動脈硬化や高血圧など生活習慣病の予防に役立つとされています。体内では作ることができない必須脂肪酸なので、食事からしっかり摂ることが大切です。
さらに、胡桃には ビタミンE が豊富。抗酸化作用が強く、細胞の老化を防ぎ、アンチエイジングや美肌効果にもつながります。女性に特に嬉しい栄養素ですね。
また、胡桃は意外と 食物繊維 も多く含まれています。腸内環境を整えて便秘解消を助けるだけでなく、血糖値の急上昇を抑えてくれるので、甘いおやつとの相性も抜群です。
そして忘れてはいけないのが ミネラル(マグネシウム・リン・亜鉛など)。これらは骨の健康や神経の安定、代謝に関わる重要な成分。普段の食事で不足しがちなので、胡麻団子を食べながら自然に補給できるのは嬉しいポイントです。
中国では、くるみが「脳の形をしている」ことから、昔から 頭を良くする食べ物 とも言われています。実際、オメガ3脂肪酸は脳の働きをサポートするため、記憶力や集中力を高める効果も期待されています。受験生や仕事に集中したい大人にもぴったりのおやつなんです。
胡麻団子の中にこっそり胡桃を忍ばせることで、「おいしい+体に良い」の両立ができるのが大きな魅力。香ばしい風味とコリッとした食感は、一度食べるとやみつきになりますよ。
まとめ
- 胡麻団子は「芝麻球」と呼ばれる縁起物
- 今回は 白玉粉+豆腐で作るやさしい生地
- 胡桃あん入りで食感とコクをプラス
- 低温でじっくり揚げて、外カリッ&中もちっ
- アレンジも豊富な上に胡麻とくるみの栄養パワーがすごい
- いつものおやつやデザートのほか、お盆やお月見など季節のイベントに
「外カリッ、中もちっ!」元気の出る胡麻団子をぜひお家で楽しんでみてください。
コメント