大福の皮【求肥】
柔らかく伸びるもちもちの生地にあんこが包まれた大福は和菓子の中でも特に人気がある。その生地の名前は求肥。もち米や白玉粉を砂糖で練って熱を加えたもの。歴史は古く、奈良時代に中国から伝わった。当時は黒っぽい玄米などが使われており、仕上がりが牛の皮に似ていたことから牛皮と呼ばれていたそうだ。その時代は牛などの肉食が忌避されていた為【求肥】と変更されたとか。
餅との違い
では同じ餅米が原料である求肥と餅では何が違うだろう。まず餅は餅米を蒸してからついて作るが砂糖などは入らない。一方求肥は餅米を粉末状にしたものに水や砂糖、水飴などを加えて練り上げる。この糖類が持つ保水効果で求肥は餅とは違い冷めても固くならないのだ。
さて、そんな美味しい求肥がレンジで簡単に作れてしまうとしたら…私はやっぱり大福を作る。あんこだけ包むも良し、塩豆大福も好きだ。フルーツなど入れてしまえばもう和菓子屋さん気取りだろう。というわけで、今回は和菓子屋さん気取りをレポートしようと思う。
レンジで作るフルーツ大福
今回作ったフルーツ大福は丸ごとみかんを入れた大きなタイプと一口サイズのフルーツを入れた小さなタイプの2種類。小さい方には苺、キウイ、小粒みかんの3種類を差し込んだ。
<丸ごとみかん大福3個>
- みかん3個
- 胡桃あん(オノデラ食品250g)※白餡が手に入らなかった為
- 白玉粉80g
- 上白糖25g
- 水120cc
- 片栗粉適量
①まずみかんの皮を剥いたら白い筋を綺麗に取り除く。より口当たりを良くするにはベーキングパウダーや重曹(食品用)を使ってつるんとした薄皮に仕上げるといい。これは後述する。
②みかんには白餡を合わせたかったのだがあいにく店頭にて販売されておらず代わりに胡桃庵を包んでいる。小豆あんでもすこぶる美味である。
③白玉粉と上白糖を擦り合わせておく
④水を少しずつ加えてサラッとした状態になるまで混ぜていく
⑤ふんわりラップをして600wのレンジで1分半温めたものをヘラで練っている状態※この時はまだムラになっている
⑥再度ラップをして600wで1分間加熱して練っている状態※均一に艶が出てきている状態
⑦出来上がった生地を片栗粉を敷いたバットに落とす
⑧カードなどで3等分にカットする。※かなりくっつきやすいので粉をつけながら作業する
⑨伸ばした生地にみかんを置き生地で包んでいく
⑩包んだらしっかりつまみ閉じ、閉じ目を下にして置く
⑪3個完成
⑫追加で作り半分にカットしてみたもの
<小さなフルーツ大福6から8個>
- 今回市販の粒あんを使用。あんこはあらかじめ一口大に丸めておく
- 丸ごとみかんの生地の2倍量で作ったのでレンジは600wで2分半を2回で様子を見ながら要調整
- みかんは皮の処理をして小房に分け、キウイも食べやすい大きさにカット、苺は小粒を選んだ
- 小さめに広げた生地に市販のあんこを包んで成型したものにハサミを入れていく
- 切ったところへフルーツを差し込んでいく
以上工程は至って簡単だが生地が若干混ぜにくい事(頑張ってヘラでシゴく)と手やカードにしっかり粉をつけて作業する事に気をつければ美味しい大福が家でいつでも作れてしまう。
みかんの薄皮を綺麗に剥く方法
- 2リットルの水にベーキングパウダーを小さじ4杯いれて沸かし、みかんを優しく入れたら火を止めて2分ほどつける
- 水にあげて冷ます(2回ほど水を変える)
- ペーパーや楊枝などで優しく表面や溝を掃除するとつるんとしたみかんになる
- 暑い時期はこれに砂糖をまぶして冷凍しておけば安心無添加のガツンとみかんな氷菓子ができる
以上が今回のレポートである。先月久しぶりに故郷へ帰り、高齢の母や忙しくしている姉弟達にこの大福をふるまった。喜ぶ顔を見て私の糧になった。またあの顔が見たいと願っている
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