赤紫蘇ジュースを作った後、残った葉っぱをそのまま捨てるのはもったいない!実はこの赤紫蘇の葉、少しの工夫でおいしく生まれ変わります。乾燥させてふりかけなども出来ますが、今回は発酵なしで簡単に作れる「即席しば漬け」、冷蔵庫で寝かせればすぐに味が馴染んで常備菜にもおすすめです。今回は、この時期になると我が家でリピートしている赤紫蘇葉の活用レシピをご紹介します。

赤紫蘇に含まれる栄養と期待される効能
赤紫蘇は古くから薬草としても親しまれてきた、香り高い和ハーブのひとつ。ジュースにしても、煮出した葉にはまだ栄養が残っています。
主な栄養素
- ロズマリン酸:ポリフェノールの一種。アレルギーや花粉症の症状を和らげると言われています
- アントシアニン:赤紫の色素成分。抗酸化作用があり、目の疲れや老化予防にも◎
- カルシウム・鉄分:女性に嬉しいミネラルも豊富
- ビタミンC・ビタミンA(βカロテン):免疫力を支え、肌や粘膜を守る働きがあると言われています
期待される効能
- 抗酸化作用でアンチエイジングや疲労回復に
- 抗菌作用があり食中毒予防や保存食づくりにぴったり
- 鎮静効果があるとされ、リラックス・睡眠サポートにも
ジュースで煮出した後も、葉にこれらの成分が一部残っているので、捨ててしまうのは勿体無い。
赤紫蘇ジュースで出た残りの葉
赤紫蘇ジュースを煮出した後に残る、しんなりとした赤紫蘇の葉。
一見、色も抜けて「もう役目は終わったかな」と思いがちですが、実はまだまだ栄養も風味もたっぷり残っています。とくに、赤紫蘇特有のアントシアニン(ポリフェノールの一種)や香り成分は、煮出しても葉に残りやすく、抗酸化作用なども期待できます。
さらに、梅干しやしば漬けの色付けに使われるように、自然な赤紫色の色素もまた戻す工夫があるんです。
しかも、煮出した後の葉はえぐみが少なく、扱いやすい状態になっているため、きゅうりやみょうがなどの野菜と和えるだけで、簡単にしば漬け風の一品に。さらに我が家ではこのしば漬けを冷凍保存もしています。
「捨てずにおいしく」「見た目もきれい」「保存にも便利」――
まさに一石三鳥の使い切りレシピなんです。
即席しば漬けの材料と分量
「しば漬け」
- 赤紫蘇の葉(葉のみ200g分)を煮出して絞ったもの
※絞った紫蘇の葉(塩小さじ1/2と酢大さじ1をもみ込んでおく) - ナス 2本 (縦半分に切ってから5,6ミリの半月切り)
- みょうが 3個 (縦半分に切ってから細切り)
- きゅうり 2本 (5,6ミリの小口切り)
- 生姜 約25g (薄切りにしてから千切り)
- 塩 小さじ2 (切った野菜にまぶしておく)
- みりん 大さじ2(アルコールを飛ばしたい時はレンジ600wで40秒温める)
- 醤油 大さじ2
- 米酢 大さじ3
簡単しば漬けの作り方

①絞った赤紫蘇の葉に小さじ半分と大さじ1の米酢を塗し、よくもみ込んでおく
②材料の野菜をそれぞれカットして(茄子は水に晒してから)小さじ2の塩で揉み込み30分ほど置いておく
③塩揉みした②の野菜の水気をしっかり絞る
④絞った野菜と絞った赤紫蘇の葉を一つのボウルに入れて、分量の酢、醤油、みりんを合わせ全体を混ぜ合わせる。
漬けた直後はまだ味が浅く感じますが、冷蔵庫で半日〜1日置くと、野菜に調味液がしっかり染み込んで、酸味や旨みがまろやかに。特に赤紫蘇の色素が野菜に移ると、鮮やかな赤紫が戻ってくるのも楽しみのひとつです。
さらに2,3日後の方が味が馴染んで美味しくなります。小さく刻んでごはんに混ぜ込んだり、おにぎりにしたりすると食べやすいです。胡麻や梅、塩昆布などを加えるとさらに美味しくなり、食欲が増します。

写真の様に酢を混ぜ込むことにより、色の抜けた赤紫蘇にほんのり色が戻っています。
見た目にも美味しそうな仕上がりになるんです。
量が多くて食べきれない時は冷凍保存も
たくさん作ったしば漬け、数日では食べきれない…そんなときは冷凍保存にしています。
しば漬けを製氷器に詰めて冷凍すれば、1回分ずつ使えてとっても便利!お弁当にもそのまま使えます。(水分が出てくるので深めの仕切りカップに入れましょう)
レンジ解凍はべちゃっとなって美味しくなくなるので、断然自然解凍がおすすめです。きゅうりは少し食感が変化してしまいますが、茄子やミョウガ、生姜は遜色なく美味しいです。冷めても味がしっかりしているのでお弁当向きだと思います。

市販のしば漬けとの違い
最近の市販のしば漬けは、昔のように発酵させるものは少なくなり、お酢や調味料で即席風に味付けされたタイプが主流です。
見た目の色も、赤紫蘇ではなく着色料で色づけされたものが多く、実際に原材料をよく見ると「紫蘇葉」の記載がないものも。
また、昔ながらの発酵タイプのしば漬けには、微生物の力で生まれる独特の酸味や旨味がありますが、市販品の中にはそれを酢・アミノ酸調味料・砂糖などで再現しているものも多く、どうしても「人工的な味」と感じる人も。
一方で、今回紹介しているような自家製しば漬けは、ジュースで使った赤紫蘇の葉の自然な香りと酸味、色味がきいています。簡単に出来る即席漬けですが何より保存料や添加物を使わないので、安心して食卓に出せるのが魅力です。
作り方を7分ほどの動画にしています。
乾燥させてふりかけにも
また絞った紫蘇に梅酢をまぶしてから乾燥させてフードプロセッサーなどで撹拌し、ふりかけにしたレシピがこちら。

①小さじ2杯と大さじ3杯の梅酢を混ぜ込みます
②ラップをして一晩漬け込みます
③絞った葉を天板に広げてまずはレンジ600wで4分ほど水分を飛ばします
④そのあとは天日干しにして乾燥です。晴れていれば半日ほどで仕上がります
⑤写真の様にパリッパリになります
⑥フードプロセッサーなどで撹拌して、お好みで塩や胡麻などを追加しても○
こちらの動画は青紫蘇バージョンもあります。
このふりかけは白ごはんにはもちろん、おにぎりやお茶漬け、冷奴やパスタのトッピングにもぴったりです。清潔な密閉容器で保存すれば1ヶ月ほど保存可能。最後まで余すことなく活用できます。
今年は天候によるのか価格の影響か販売されている赤紫蘇の一袋の量が少なくなっている様に感じました。自宅で栽培してみるのもいいかもしれません。

まとめ:赤紫蘇の葉、最後まで美味しく使い切ろう
赤紫蘇ジュースを作った後に残るたっぷりの葉、そのまま捨ててしまうのは本当にもったいない…!ちょっと手をかけるだけで、彩りも香りも楽しめる「即席しば漬け」や「ふりかけ」に大変身します。
特に夏場は、酢と塩の組み合わせが食欲をそそり、保存性も高めてくれるので、常備菜としてとても優秀。冷蔵庫にあるだけで「あと一品!」がすぐに叶い、おにぎりやお弁当にも大活躍します。
ジュースにして終わりではなく、そこからさらにもう一品へ。赤紫蘇の葉は、手しごとの知恵を活かせる季節の恵みそのもの。これから赤紫蘇ジュースを作る方は、ぜひこの機会に「最後までおいしく使い切る」しば漬けレシピ、試してみてくださいね
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