10代から50代までの女性ホルモンの変化は心と身体のジェットコースターだった

思春期から更年期に至るまで

初潮を迎えてから割と早い段階で生理痛が始まり、PMS(月経前症候群)月経困難症を発症。学生時代は毎月の生理がとてもネガティブに感じていました。前後数年間を含む初潮から閉経に至るまでの期間は、この婦人科系のホルモンによるさまざまな症状や疾患に悩まされてきました。

年齢と共にその症状はジェットコースターの様に変化してきましたが、間違いなく女性ホルモンが心身へ大きな影響を及ぼすということを痛感したのでした。若い頃に“女の幸・不幸はホルモンしだい”というタイトルの文庫本を見た事があるのですが、まさに言い得て妙!です。

アップダウンのジェットコースターを背景に10代から50代の女性達が立っているイラスト
これまでの私のライフサイクル

初潮を迎えてからの10代の頃

小学校の高学年で迎えた初潮は中学生になるとまさにいろんな症状がでてきました。
PMS(月経前症候群)では、生理が来る1週間ほど前から不快な症状が始まります。不安感やイライラ、気分の落ち込みや過食などです。ただでさえ悩み多き思春期だったので戸惑いましたが、生理痛など無いと言ってる友人もいたのでこんなに個人差があるのだと知りました。
不快な症状の中でも特に生理2日目頃の痛みには耐えられないものがあり、息が吸えないような激痛が襲ってくるのです。当時よく覚えている場面が二つあります。

一つは中学生の頃。私はバスケの部活動に没頭していました。そんなある日、きつい練習が終わって帰宅しようとしたら下駄箱の前で痛みが始まり、うずくまったまま動けなくなってしまいました。通りかかった別の部活のベテラン男性顧問(保健体育専門のスパルタ先生)がどうしたんだ?と声をかけてくれましたが、その顧問が怖かったこともあり、お腹が痛いだけですぐ治ります。とうずくまったまま引きつり顔で答えました。

その様子を見た顧問は私を職員室に連れて行き、自分の椅子に座らせてから背骨に沿って腰のあたりの指圧を始めました。わざわざ職員室まで連れて行き、他の先生が見てる前だったので公開処刑の様で小っ恥ずかしくてずっとうつむいていましたが、5分ほど腰まわりの指圧をしてもらったら、嘘の様に痛みが消えたのです。

あれには驚きました。おそらくスパルタ顧問は私の痛みの原因を察知していて、痛み緩和のツボを心得ていたのだと思います。そしてあえて人目があるところで指圧を施し、ハラスメントなどのリスクヘッジも取っていたのでは…と今振り返ると思うのでした。怖いだけだったスパルタ顧問の知識と優しさを垣間見た記憶です。

もう一つは高校生の頃です。その頃はもう痛み止めを常備して生理がきたら必ず飲む様にしていました。しかし時々鎮痛剤すら効かない時がありました。そんなときは立っていられず横になりたくて保健室に行くのですが、今でも悲しい思い出として忘れられない場面があります。保健室の先生に言われた言葉です。

生理は病気じゃないんだから、痛くなる前に薬を飲み、甘えないで頑張りなさい

確かに私みたいに痛みに悶えてる人はあまり周りにいませんでしたが、同じ女性として、人生の先輩からこんな言葉が出てくると、私は甘えてるのか。保健室に行く私が間違っているのか…という絶望感を覚えたものです。当時は大人への不信感が募っていた時期でもあり、痛みや不調で自分の心身のバランスも崩れ、その後高校に行く事ができなくなりました。

結婚してから妊娠出産を経て

23歳で結婚してから妊娠するまでにも相変わらずのPMSと月経困難症はありました。痛みで息が出来ず、脂汗と冷や汗が出て体が動かなくなり、夫に救急病院に連れていってもらった事もあります。診察する頃には痛みが少し治って会話もできるので、様子を見ましょうとなり、鎮痛剤が出されるという状態でした。

それが、不思議な事に24歳で妊娠・出産してからピタリと痛みがなくなったのです。嬉しい限りでした。日常生活からあの激痛が無くなったのは確実に私のQOL(Quallity Of Life)が上がったのです。

ところが27歳で2人目を出産して生理が再開した頃、また少しずつ月経困難症が再発してきたのです。そしてこれは、どんどん悪化していきました。

32歳の頃に夫の赴任でスリランカ生活が始まるのですが、その頃には生理に関係なく痛みと不正出血が続く様になっていました。現地の病院を受診し、電子辞書を片手に病状を伝えながら診察してもらいました。正確な状態もしっかり把握できないままでしたが、言われるがままに全身麻酔下での子宮の内膜掻爬術とホルモン治療(ピルの内服)が始まりました。

ピルの服用を始めてからは、吐き気やむくみなどの副作用が強かったです。何度か薬を変えてもらったりしました。その後の症状は悪化こそしませんでしたが不正出血などはたまに起こり、目に見えて改善もしない…という感じでした。

更年期症状と不定愁訴

そして36歳で日本に帰国してからもさまざまな病気と向き合う事になります。
胃癌を始め(胃癌が発覚するまで)アルコール摂取過多(アルコール依存症に気づく)などいろんな症状に悩まされます。

それと同時に襲ってきたのが更年期症状で、もはや体調不良祭りです。辛かったのは私の場合以下の症状です。

  1. ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗)
  2. 不安、イライラ、ヒステリー
  3. 動悸、息切れ
  4. めまい、耳鳴り
  5. 不眠、頻尿
  6. 集中力や記憶力の低下、注意力散漫
  7. 手指のこわばり、節々の痛み

閉経に伴う症状なのかも分かりませんが、45歳くらいからまた不正出血がひどくなり始めます。
46歳のころにはピルを服用しているにも関わらず何ヶ月も出血がだらだらと止まらなかったりしていました。子宮筋腫も多発していて、クリニックでは子宮腺筋症と言われたり子宮内膜症と言われたりしていました。痛みに関しても日常生活がままならないほどになっていたので、大きな病院に紹介状を書いてもらい手術して子宮と卵管を摘出する事になりました。

子宮摘出は腹腔鏡下で出来たので開腹手術と違って入院期間も回復も早かったです。
ただ、それまで受けた開腹手術で内臓の癒着がかなりあるそうで、今後の開腹手術にはかなり技術を要する状態だと言われました。

とはいえ子宮摘出後は嘘の様に不快感から解放されて、日常生活を取り戻し、またパートに出る事ができるまでになりました。

また卵巣は残しているので、卵巣嚢腫は引き続き検査でフォローしています。卵巣を残したのは、摘出した事でいきなり襲ってくるであろう更年期症状と、残した事による内膜症再発のリスクを天秤にかけてどちらがQOLが高いかを医師と相談した結果です。まだ卵巣が働いている様で、骨粗鬆症などの更年期症状は今のところありません。思えば思春期からずっと体と心の不調の大きな原因の一つに、いつも生理や女性ホルモンの影響を受けてきた様に思います。

不定愁訴に悩みながらも前向きに歩き出そうとする女性のイラスト

まとめ

女性のライフサイクル

女性が向き合うホルモンの変化は思春期から閉経期まで妊娠出産をピークに本当にジェットコースターの様です。個人差はあれど、生老病死の流れの中で大きなうねりを醸し出します。

思えば、不安だった思春期の頃の私が不信感を覚えたあの大人たちの年齢に、私は今なっているわけです。娘の思春期と私の更年期が重なる時期は摩擦が絶えませんでした。果たして不安にかられる娘たちの心や体に寄り添えてるのか、衝突するたびに自問自答しながら反省しきりです。
思春期と更年期の交差点では、振り返って見えてくる事があります。そしてまさに女性の幸・不幸はホルモンしだいなのかもしれないと痛感する今日この頃です。

更年期真っ只中ですが、そろそろジェットコースターも終わりに近づいています。
あらゆる不定愁訴に共通して出来ることは

  • 体の隅々まで行き渡る栄養と質の良い睡眠を摂る事。
  • そして自分の機嫌を自分で取れる様に五感を使って工夫する事。

これらを日々マイペースで実践しようと思って過ごしています。

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